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執筆者の写真ポジティブ・ディシプリン コミュニティ

『たたかない子育て』当たり前にしちゃった国、次は?多用フレーズ子どもの視点


スウェーデン大使館でのセミナーを取材してきました!

スウェーデンはとても興味深い国なのです。

なぜなら、『#たたかない子育て』『男女平等』という、

~それって理想で現実にムリよ~

と言ってしまいそうなことにチャレンジし、現実にしている国だからです。

スウェーデンの「たたかない子育て」実現への歩みは

こちら↓をご覧ください。

(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのウェブサイトより)


スウェーデン大使館エントランスからの写真

さて、今回おじゃましたのは

日本との国交150周年記念セミナー

「スウェーデンの幼児教育と保育

     ~私たちはどう生かせるか~」

開催場所は、スウェーデン大使館!子どもが入っても緊張しない雰囲気ですね。

講師は、

OECD、UNESCO関連の調査研究でも実績があり、世界幼児教育・保育機構の世界総裁でもある


スウェーデン大使館の壁面には親子のスクリーンが

ヨーテボリ大学 イングリッド・プラムリング=サミュエルソン教授でした。

配布資料には、講演の題名として

「~to competent and independent children~(~有能で自立した子どもにどのように貢献できるか)」

とありましたが

“自立”は仕事を持って経済的にやっていけるとか、

家事ができるというだけではありません。

そこには、「参加」の視点があります。

健康や幸福を考える時、国際的には

身体機能だけでなく、活動や参加が障害されていないか、

つまり心身だけでなく社会的な側面も合わせて考えるようになっています。

講演ではこの「参加」と言う言葉は何度も使われていました。

サミュエルソン教授がお話された言葉を引用して、少し再構成して

セミナーでの講演内容をご紹介します。


イェーテボリ大学 イングリッド・プラムリング・サミュエルソン教授

==========

スウェーデン🇸🇪の保育は、

男女平等が土台であり、

平等・人権は国を支える基礎です。

男性も女性も、仕事も生活もどちらも大切にします。

私たちの望む未来は、

全ての人が、持続可能な発展や持続可能な生活のために、必要な知識や技能を得られるようにすることです。

持続可能性な学び方と持続可能性のための学びを重視します。

持続可能な学び方には、「遊び」ながら学ぶ方法があります。

と言うのは、「遊び」は子ども達の世界の燃料のようなものだし

研究でも遊びながら学ぶのが効果的と立証されているからです。

また持続可能性の基本は「子ども(の権利)」と考えています。

(別の登壇者の言葉を借りると「持続可能な世界は子ども達とともに始まると私たちは確信しています」)

スウェーデン幼児教育のカリキュラムの核は

○子どものケア、発達・能力開発、学び

○子どもの参加と影響

○スウェーデンの価値と規範

(開放性・尊重・責任感、他社の立場に共感し助けの手を差し伸べる能力、

道徳的ジレンマを発見し向き合い、見解を明らかにする力、全ての人間の平等な権利への理解etc)

となっています。

遊びながら学ぶ子どもを育てるには

・バリエーションを持って色々な方法や場面で学ぶこと。一人一人身についている文化資産は違うから、一つの方法で全ての子に理解させるのは難しい。

・子どもの視点に関心を持つことで、コミュニケーションを中心とすること。

・子どもが参加している意識を持てること。そのためには、子どもの話を聞き、子どもが表現する機会を与え、子どもと大人の意見の違いも納得できる点を見つけて折り合うこと。

・子どものファンタジーと遊びの世界を壊さないように大人が参加すること。

子どもとのコミュニケーションや子どもと一緒に遊ぶのには、スキルが必要。

それには

・子どもの発達についての理解

・子どもの話を聞くこと

・子どもを観察すること

 (何を子どもがしているのか、なぜそれを子どもがしているのか、何を子どもが表現しようとしているのか)

そして、今の学校の一方向の知識伝授ではなく

子どもが自分の意見を持つのを助け

子どもたちが地球市民として、持続可能性な生活や幸せを考えることを教える

子ども達が持たなければならない知識は何なのか

教育の内容とは何かコンテンツを教育者は考える必要があります。

子どもを有能な共同者だと思っています。

子どもの考えは、今あるテストの答えよりも大切なものです。

子どもの想像力は私たちの未来に繋がっているのです。

==========以上

幼児教育も子育ても、子どもの発達の支援と言うことができると思います。

子どもを教育、養育する時、

当事者である「子どもの視点」がとても重要だと、この講演で再度確認しました。

教授は、何度も「child’s perspective(子どもの視点)」と話していました。

たしかに、

"子育て支援"を考えるとき

養育者の意見を聞かないで、学者さんだけで何かを決めても上手く行かなそうだし

"女性の活躍を応援する"際も

おじさんだけの会議で検討されても「え?」となりますね😄

子どもの発達を支援する時も同じで

子どもの視点から考える

~話せない子どもの声を聴くには観察し

~話せるなら子どもの話を聞き

~表現できない時には意見を言えるよう助ける

ことが、もっともなことだと思いました。


レセプションの様子

加えて、質の高い学びには「コミュニケーション」があるとのこと。

本イベントの中盤と終了後には、コミュニケーションの場が当たり前のこととして準備されていました🍷

【イベントのタイムテーブル】

13:30 開会

   スウェーデン公使 ヴィクトリア・フォシュルンド=ベラスさん

   社会福祉法人よしみ会 理事長 中辻祥代さん


エリザベス・ソーバーンさんと落合香代子さん

13:40 基調講演「遊んで学ぶスウェーデンのプリスクールが未来にどう貢献できるのか」

   ヨーテボリ大学 イングリッド・プラムリング=サミュエルソン教授

15:00 フィーカ(コーヒーブレイク)☕️

15:20 「Sweducareの紹介」

   カリマン・マットソンさん

   エリザベス・ソーバーン  (NGO Sweducare 設立者・代表者)

16:00 「スウェーデンの保育に魅せられて」

   中辻祥代さん  (社会福祉法人よしみ会 理事長)

16:30 質疑応答    16:55 閉会

17:00 レセプション  18:00 終了

主催:社会福祉法人よしみ会  共催:Sweducare 後援:厚生労働省 文部科学省 外務省 スウェーデンん大使館

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