ポジティブ・ディシプリンでは
養育者の子どもへかける思いが、効果的に子育てに活かせるように
『効果的な育児の4つの原則』を提案しています。
ポジティブ・ディシプリン・モデルと呼びます。
4つの原則の一つ「③#子どもの考え方・感じ方を理解すること」では、
生まれてから成人する #発達段階 における
特徴的な行動や心のありようを理解します。
大事なことは、発達段階にいる子どもは、大人とは違うところが大いにあることです。
もう一つ、人間一人一人生まれながらに持つ個人差
#気質 もまた、子育てには重要です。
気質とは
生まれつき備わった反応・行動・感情の傾向です。生まれつきのものですので
気質に良い気質、悪い気質というのはなく、ただ違うだけです
ただ、どの気質にも強みとともに苦労するところがあります
生まれ持ったもので変わりづらい
気質には様々な分類がありますが、ポジティブ・ディシプリンでは7つに整理しています。
気質の一つ「新しいことへの適応性」
を理解するのに良い書籍があったので、ご紹介します。
ここで言う「内向型」はポジティブ・ディシプリンで言うところの
「適応性」が低いタイプと同じだと考えて良いと思います。
特徴としては、
刺激が強すぎない環境を好む性質です。よって以下のような傾向が紹介されています。
パーティや仕事の付き合いを楽しむ人もいるが、しばらくすると、家でパジャマ姿になりたいと感じる
限られた親しい人との関係に全エネルギーを注ぎたいと思っている
しゃべるよりも聞くほうを好み、ゆっくり考えてからしゃべる
会話よりも書く方が自分をうまく表現できると感じることが多い
衝突を嫌う傾向がある
子どもの適応性が低い場合、よく起こりがちなことがたくさん書かれています。
小学2年性の娘が、仲間に入りたがらず孤独でいるのが理解できず、母親は娘に問題があるのでは、人付き合いの能力が欠けているのではないだろうかと考える
多くの学校は外向型の子どもたち向けに作られている。(略)内向型の生徒に対しては、もっと外交的になりなさい、社交的になりなさいと助言する以外に選択肢がほとんどない
20世紀半ばの善意の親たちは、男の子にとっても女の子にとっても社交的であることが理想とみなした。親は社交性を身につけさせるため、子どもが小さいうちから教育の場へ送り出すように。内向的な子は問題があるとみなされるようになった。
また大人のエピソードも紹介されています。
外向型のパートナーは、毎週金曜日ディナーパーティーをしたいが内向型の自分はとても苦痛。自分は2人でゆっくり映画でも見て過ごしたいと言うと、パートナーはもっと努力するべきだと主張して、自分を反社会的だと責める。
筆者は、現代は外向型が理想とされる社会であるが、内向型には
思慮深い、理性的、学問好き、控えめ、繊細、思いやりがある
などの特質があり、もっと評価されて良いと考えています。
そして、11章「内向型の特性を磨く方法」には、以下の見出しがあり、子育ての参考になりそうです。
何を求めているか知ることから
内向型の子どもの心を理解する
恐怖や不安は自分で制御できるようになる
内向型の子どもに理想の教育環境とは
そこには、ポジティブ・ディシプリンを使った子育てのアイディアとして、
参加者のかたが教えてくれるものが、数多く述べられているように感じます。
参考に、文章を引用して、締めくくりたいと思います。
内向型の子供のためにあなたができる最良のことの一つは、新しい体験に対応するのを助けてやることだ。すでに述べたように、内向型は初対面の人に会ったり、知らない場所へ行ったり、はじめてのことをしたりする際に大きく動揺する。だから、慣れない状況の中で他人とうまく付き合えないのではないかと言う警戒心を子どもが抱いているのを見逃さないようにしよう。彼(彼女)は、人間との接触を恐れているのではなく、目新しさや過度の刺激によって不安を感じているのだ。(略) 大切なのは、新しい人や環境に子供をゆっくり慣らしていくことだ。子供にとっての限界が納得できなくても、それを尊重すること。そうすれば、過保護になることなく背中を押しすぎることなく、もっと子供に自信を持たせることができる。自分の感情は正常で自然なのだと子供に知らせるだけでなく、何も恐れる必要ないのだと分からせよう。
「はじめて会った子と遊ぶのはちょっと気後れするのはわかるけど、あの男の子はきっと喜んでトラックの玩具で一緒に遊んでくれるよ」と言ってみるのだ。そして、急かさず、子供のペースに任せよう。子供が幼い場合、必要ならば、最初は一緒に遊んでくれるかなと相手に声をかけてやるのもいい。その後は、邪魔にならないように見守っていよう。子供がとても幼ければ、背後からやさしく背中に手を当ててやっていてもいい。子供が思い切って一歩踏み出したら、すごいねと褒めてやろう。
もう一つ、高反応の子(以前は刺激に敏感でよく泣くため、「育てにくい子」など表現されていた)に対する対応についてもアドバイスが書かれています。
子供の気持ちを慮り、個性を尊重すること。ことさら厳しくしたり敵対したりはしないが、温かくしっかりと要望を伝えること。好奇心を育て、学業を奨励し、自分の満足を後回しにしたり自分をコントロールしたりする気持ちを育むこと。厳しすぎたり放任しすぎたりせず、一貫していること。
ポジティブ・ディシプリンの原則
②温かさを与え、枠組みを示すこと
③子どもの考え方・感じ方を理解すること
と同じだなと納得する内容です。
人間を多様でユニークな存在にする気質を知り
子どもを理解することは、
子どもの助けになるよう親へパワーを与えてくれ
子どもには、自分を愛し、自分のパワーを発揮できるようにしてくれるでしょう。
関連情報:親子関係に影響を与える『気質』
Commenti